車の相続-戸籍収集は大変その2横浜川崎自動車登録
お世話になっております。前回の続きです。
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戸籍はどこに行けば見つけられるのですか?
亡くなった人の住所地に戸籍もあるとは限りません
親から子供への相続があったとして、相続人確定のために親の戸籍を調べるには、親の本籍地の地区町村役場に行きます。
しかし、その「本籍地」は何処なのでしょう?判らない方も一定数います。
これは、現在住んでいる場所でなくても、日本ならどこでも良いとされています。
当初は住所地と本籍地が一致していても、転居すれば本籍地は変えずに住所だけ移すのが一般的でしょう。
一番の情報源は住民票です。まずは親の住所地の役所で親の住民票(死亡届後は住民票の「除票」)をとります。
ちなみに、死亡届の届出から除票に反映されるまで、概ね1週間から2週間位かかります。
申請用紙の中に「本籍地・続柄」まで記載するかどうかを書く欄があるので、「記載する」をチェックすると、親の本籍地が記載されている住民票がもらえます。
相続人であることが証明できる本人の戸籍謄本も持っていきます。
横浜市住民票請求書サンプル
祖父母の戸籍の場所は親の戸籍を見ると判ります。
相続人を確定するためには、祖父母の戸籍まで取得することが求められています。
何故ならば、親が未婚のときに子供をつくっていないかどうかを証明するためです。
亡くなったお父様が、未婚時に自分の親(相続人から見ての祖父母)の戸籍に入っているときに子をもうけ、その子を認知しているケースがあり得ます。認知するとその子も相続人になります。
認知した子は、亡くなられた方の戸籍に身分事項として付記されます。
古い戸籍のサンプル「認知」の文字をマーカーで引きました。
現在の戸籍サンプル
その後、父親が別の女性と正式に結婚して夫婦の新しい戸籍をつくったとき、認知した子の存在はこの新戸籍に転載させませんので、この新戸籍だけみても、認知した子供の存在わかりません。
相続人は、親の戸籍だけではなく、祖父母の戸籍まで調べなければ、「相続権をもつ見知らぬ兄弟姉妹」の存在の確認をする必要があります。
(可能性として、父親が生前に認知しなかった子が、父親の遺言や自身の認知の訴えによって認知を認められるケースがありますので、これは戸籍の記載からはつかめません)
ところで、祖父母の戸籍の場所が判らないときはどうするかなのですが、親の戸籍が取れれば、その戸籍に、祖父母の戸籍の場所も記載してあります。あるいは祖父母の本籍付きの住民票の除票をとります。
亡くなった兄弟姉妹の戸籍を探すにはどうすれば良いですか?
身寄りのない人が亡くなって、その人の兄弟姉妹が相続人になることもあります。
相続人となった兄弟姉妹は、何年も会わなかった自分の兄や姉の戸籍を調べる必要があります。しかし、兄、姉の現在の本籍地が判らないという場合があります。
そのような場合は、どうするかというと、その人の住所地で「本籍地付き」の住民票が取れれば良いのですが、問題は、その人が住民票をいまの住所地に移していない場合です。
そうしたときは、自分たちの親の戸籍からたどる方法があります。
親の戸籍を見ると、もとはその中にいた兄弟姉妹が結婚して戸籍を出て行ったりしたり、未婚のまま親の戸籍の中にいたりするのがわかります。
戸籍を出ていれば、出ていった先の新しい本籍地が親の戸籍に書いてあります。
そこからさらに転籍などで動いていても、戸籍を追いかけて最終の本籍地を探し出せます。親の戸籍の中に亡くなった当人が残っているならば、その戸籍がそのまま亡くなった当人の戸籍です。
小まとめ2
亡くなった人の本籍地を調べたいときは、亡くなった人の「本籍地記載の住民票をとれば、本籍地=戸籍のありかがわかります。
法定相続情報証明制度の利用のしかた
複数の手続きをするには法務局認証の「一覧図」は便利です。
これまでは、不動産、自動車の名義変更、金融機関の解約は、各々の行政機関、金融機関毎に亡くなった方の出生から亡くなった時までの戸籍を全部揃えなければなりませんでした。
行政機関、金融機関によっては原本還付しない機関もありました。
これでは、相続人にとって大きな負担です。
そこで、平成29年5月29日より「法定相続情報証明制度」が始まりました。
といっても、最初だけは亡くなった方の出生から亡くなった時までの連続した戸籍謄本を収集する手間をかけなければなりません。
さらに亡くなられた方と法定相続人全員の関係を示す図(法定相続情報一覧図)を作成して、戸籍謄本と一緒に法務局に提出します。
法務局は相続人又は代理人が作成した関係図と戸籍資料を確認して、一覧図の内容が正しいと確認できたら保管してくれます。
相続人は必要に応じて認証文付きの写しの交付を受けて相続手続きに使うことができます。
その写しを行政機関、金融機関の窓口に提出するだけでよく、各行政機関・金融機関ごとに戸籍の束を提出する必要はありません。
ちなみに、「認証文付き法定相続情報一覧図」の標準処理期間は戸籍に漏れ、一覧図に間違いがなければ、概ね3週間程で交付されます。
自動車の名義変更では、戸籍謄本のみだと混雑状況にもよりますが、申請から概ね1時間程です。法定相続情報一覧図の場合は当然に待ち時間は短縮できます。
具体的な利用手続きは下記の通りです
①以下の書類を法務局に提出します。
・亡くなられた方の出生から亡くなった時までの連続した戸籍・除籍謄本
※結婚や転籍、戸籍の電子化などで作り変えられた戸籍をさかのぼってつなげ、そろえたもの。
・その戸籍の記載にもとづいて相続人が作成した法定相続情報一覧図
※作成は相続人の親族や行政書士、弁護士、司法書士、税理士などの代理人が作成可能です。
・相続人全員の住民票の写し
※相続人の住所も載せたい場合に提出します。
・亡くなられた方の最後の住所を確認するための住民票の除票など
※提出する法務局は、下記の地を管轄する法務局のいずれかです。代理人が申請してもよく、郵送でも大丈夫です。
(1)亡くなられた方の本籍地
(2)亡くなられた方の最後の住所地
(3)申出人の住所地
(4)亡くなられた方の名義の不動産の所在地
②登記官が①の内容を確認し、認証文を付した「法定相続一覧図」の写しを相続人に交付します。
・何通でも必要な通数が交付され、手数料はかかりません。
・提出した戸籍謄本等は返却されます。
・一覧図の保管期間は5年です。5年以内なら再交付してもらえます。ただし、再交付の申し込みができるのは、当初の「一覧図」の保管等申出をした相続人のみです。他の相続人が再交付をするには、当初の申出相続人からの委任状が必要です。
以下、法定相続情報一覧図のサンプルです。
法定相続情報一覧図サンプル
相続手続きを進めるには他の文書も必要です。
この「法定相続情報」を相続手続きの窓口に提出すれば、戸籍資料一式を持ち込む必要はなくなります。
ただ、相続登記、自動車名義名義変更、金融機関名義変更などが、この文書を提出しただけでは終わりません。
他にも遺産分割協議書、あるいは遺言書、相続放棄をした方がいるときは相続放棄申述受理証明書なども必要です。
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
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