行政書士の出張封印‐横浜川崎自動車登録・出張封印
お世話になっております。横浜市、川崎市を中心に車庫証明、自動車バイクの登録、出張封印を行っている。こぐち行政書士事務所です。当サイトをご覧くださいまして誠にありがとうございます。本日は「行政書士による出張封印」をテーマとして書いていきます。
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そもそも封印とは?
普通自動車のリアナンバーの左上に小さな銀の蓋が付けられています。
これが封印です。車に打刻されている車台番号と、車検証上の車台番号が一致しているのを確認してから、ナンバーを取り付けて施封します。
根拠:道路運送車両法施行規則第15条の2
(自動車登録番号及び車台番号の確認)
第十五条の二 封印取りつけ受託者は、当該自動車に取りつけられた自動車登録番号標に記載された自動車登録番号及び当該自動車の車台番号が当該自動車検査証に記載された自動車登録番号及び車台番号と同一であることを確認した後でなければ、封印の取りつけをしてはならない。
条文には「受託者」と書かれていますので、誰でもできるものではありません。
「受託者」については後ほど書きます。
普通自動車の登録は「不動産登記」に似ています。
道路運送車両法第1条
第一条 この法律は、道路運送車両に関し、所有権についての公証等を行い、並びに安全性の確保及び公害の防止その他の環境の保全並びに整備についての技術の向上を図り、併せて自動車の整備事業の健全な発達に資することにより、公共の福祉を増進することを目的とする。
封印の意義と必要性
ナンバープレートを取り付けること
前面及び後面の見やすい位置に確実に取り付ける。
封印の取付けを受けること
何人も封印を取り外してはならない。根拠:道路運送車両法第11条5項
(自動車登録番号標の封印等)
第十一条 自動車の所有者は、前条の規定により自動車登録番号の通知を受けたときは、当該番号を記載した自動車登録番号標を国土交通大臣又は第二十五条の自動車登録番号標交付代行者から交付を受け、国土交通省令で定めるところによりこれを当該自動車に取り付けた上、国土交通大臣(政令で定める離島にあっては、国土交通大臣又は政令で定める市町村の長。以下この条(次項第三号及び第三項を除く。)において同じ。)又は第二十八条の三第一項の規定による委託を受けた者(以下この条において「封印取付受託者」という。)の行う封印の取付けを受けなければならない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合について準用する。この場合において必要となる自動車登録番号標又は封印の取り外しは、国土交通大臣又は封印取付受託者が行うものとする。
一 自動車登録番号標が滅失し、毀損し、又は第三十九条第二項の規定に基づく国土交通省令で定める様式に適合しなくなったとき。
二 自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別が困難となったとき。
三 次項の規定により国土交通大臣が自動車登録番号標の交換を認めたとき。
3 国土交通大臣は、自動車の所有者から当該自動車に係る自動車登録番号標の交換の申請があつたときは、これを認めるものとする。
4 自動車の所有者は、当該自動車に係る自動車登録番号標に取り付けられた封印が滅失し、又は毀損したとき(次項ただし書の国土交通省令で定めるやむを得ない事由に該当して取り外したときを除く。)は、国土交通大臣又は封印取付受託者の行う封印の取付けを受けなければならない。
5 何人も、国土交通大臣若しくは封印取付受託者が取付けをした封印又はこれらの者が封印の取付けをした自動車登録番号標は、これを取り外してはならない。ただし、整備のため特に必要があるときその他の国土交通省令で定めるやむを得ない事由に該当するときは、この限りでない。
6 前項ただし書の場合において、当該自動車の所有者は、同項ただし書の国土交通省令で定めるやむを得ない事由に該当しなくなったときは、封印のみを取り外した場合にあっては国土交通大臣又は封印取付受託者の行う封印の取付けを受け、封印の取付けをした自動車登録番号標を取り外した場合にあっては国土交通省令で定めるところにより当該自動車登録番号標を当該自動車に取り付けた上で国土交通大臣又は封印取付受託者の行う封印の取付けを受けなければならない。
よって、封印は自動車登録手続きが完了した証であります。
封印ができる人、法人とは
上記に書きましたが誰でも封印を施封できる訳ではありません。
車の売買による名義変更等をする場合は、原則、本人が運輸局に持込みます。
名義変更が終わると、ナンバープレートと封印が渡されて、ナンバーセンターの職員の方が施封します。
封印委託の種別を表にしました。
種別 | 受託者の事業形態 | 委託範囲 |
甲種 | ナンバープレートの交付代行者 リンク自動車会議所 | 全ての手続き |
乙種 | 型式指定車の新車販売業者 ○○Hondaなど | ・自ら販売する自動車に係る新規登録 ・変更、移転登録 ・再交付、交換、再封印 |
丙種 | 各都道府県の中古車販売協会 | ・構成員自ら販売する自動車に係る新規登録 ・変更、移転登録 ・再交付、交換、再封印 |
丁種 | 各都道府県の行政書士会 | ・新規・変更・移転登録(乙種及び丙種の委託範囲に係るものを除く) ・再交付、交換、再封印 以下、再委託及び再々委託 ※再委託として各都道府県の行政書士会に所属する自動車登録業務に十分精通した行政書士 ※丁種受託者は、ユーザーの利便の向上を図る上で必要があると認めるときは、行政書士又は当該行政書士を通じ他の行政書士に、封印の取付け作業を、丁種受託者の名において行わせることができる。 |
行政書士と封印制度の沿革Ⅰ
平成13年に甲種受託者の再委託としてスタートしました。
趣旨
個人ユーザーの出頭による負担を軽減するため。
条件
・申請書の送付による個人ユーザーからの依頼。
・個人ユーザーの変更登録(管轄を伴う)
・個人ユーザー間の移転登録(管轄変更を伴う)
方法
出張封印方式(ユーザーの車庫)
行政書士と封印制度の沿革Ⅱ
その後の変遷
・個人ユーザーの変更登録に限られていたものが法人ユーザーも可能になりました。
・個人ユーザー間の移転登録に限られていたものが個人・法人間、法人間も可能となりました。
・管轄変更に加えて用途変更(事業用を自家用にする等)が可能となりました。
これが、現在の丁種封印制度の創設になります。
委託の拡大
上記の表と同じです。
種別 | 受託者の事業形態 | 委託範囲 | ||
甲種 | ナンバープレートの交付代行者 リンク自動車会議所 | 全ての手続き | ||
乙種 | 型式指定車の新車販売業者○○Hondaなど | ・自ら販売する自動車に係る新規登録 ・変更、移転登録 ・再交付、交換、再封印 | ||
丙種 | 各都道府県の中古車販売協会 | ・構成員自ら販売する自動車に係る新規登録 ・変更、移転登録 ・再交付、交換、再封印 | ||
丁種 | 各都道府県の行政書士会 | ・新規・変更・移転登録(乙種及び丙種の委託範囲に係るものを除く) ・再交付、交換、再封印 以下、再委託及び再々委託 ※再委託として各都道府県の行政書士会に所属する自動車登録業務に十分精通した行政書士 ※丁種受託者は、ユーザーの利便の向上を図る上で必要があると認めるときは、行政書士又は当該行政書士を通じ他の行政書士に、封印の取付け作業を、丁種受託者の名において行わせることができる。 |
丁種封印委託一覧表
種別 | 実施者 | 制限 | 新車新規 | 中古新規 | 移転登録 | 変更登録 | 構造変更 | ナンバーの再交付・交換 | 番号変更 | 封印のき損・滅失の再交付 | 整備取外しの再封印 | 行政処分の再封印 |
車両法7条3項 | 車両法7条3項 | 車両法14条 | 車両法14条 | 車両法14条 | 車両法11条2項 | 登録令43条 | 車両法11条4項 | 車両法11条6項 | 運送法41条3項 | |||
丁種 | 各都道府県の行政書士会 | |||||||||||
丁種の名において | 丁種行政書士 | 自ら登録書類を作成 | ※可 | ※可 | ※可 | ※可 | 不可 | 可 | 可 | 可 | 可 | 不可 |
※可は乙種及び丙種の構成員の販売する自動車を除きます。 |
よって、行政書士の出張封印は行政書士自ら登録書類を作成することが前提条件となります。
ただし、乙種及び丙種の構成員の販売する自動車は出張封印することができません。
出張封印方式
前にも書きましたが、自動車登録は原則本人が、運輸局に車を持ち込みます。
しかし、運輸局は土日祝日がお休みです。会社を休んで、運輸局に行かなくてはなりません。
また、販売店様が遠方の方にお車を売るケースがあります。
例えば、宮城県仙台市の販売店様が神奈川県横浜市のお客様に売るとなると、仙台ナンバーまたは横浜ナンバーでお客様に納車すると思います。
出張封印はユーザー様の利便を図るため、ユーザー様の駐車場等でナンバーを取り付ける制度です。行政書士が登録書類を作成し、ユーザー様の駐車場等でナンバーを取付けし、旧ナンバーを15日以内に運輸局に返納します。
出張封印の大きな流れ
行政書士が登録書類を作成し、新ナンバーをもらう。
↓
車検証を元に車台番号打刻位置を確認しておくこと。
持ち物は10mmT字レンチ、プラス・マイナスドライバー、ラジオペンチ。万一に備えて、電動ドリル、タップ(ネジ山を再生する)LEDライト、雨具、チョーク、色鉛筆を用意します。
ユーザー様宅等に出向き、新ナンバーを取付けます。
↓
行政書士が旧ナンバーを15日以内に運輸局に返納します。
行政書士間の封印再々委託
丁種行政書士間で封印を再々委託することができます。
事例:車は横浜市にある、仙台ナンバーを付けて、仙台に納車したい。
手順
横浜市、仙台市の行政書士間で確約書等を交わします。
↓
仙台市の行政書士が登録書類を作成し、仙台ナンバーと封印を横浜市の行政書士に送付します。
↓
横浜市の行政書士がユーザー様宅等に出向き、ナンバーを取付けます。
持ち物はチョーク、色鉛筆は必携と感じました。
車台番号を鮮明に写すためです。チョークはトラック用に、色鉛筆は乗用車用に使用します。
↓トラックの場合、車台番号がタイヤハウス付近にあるため、チョーク又は色鉛筆を使用しないと鮮明に出ません。
何故ならば、委託元の行政書士さんに車台番号の写真を送付しなければならないからです。
この時に、車台番号及び行政書士標章が入った仙台ナンバーの写真を撮影し、完了した書面を仙台市の行政書士に提出します。
まとめ
行政書士の出張封印は行政書士自ら登録書類を作成することが前提条件です。
乙種、丙種が販売する自動車は原則、出張封印は出来ません。
出張封印の前に予め、車台番号を確認しておきます。確認方法は打刻位置ガイドブック、車検証を元にネット検索、メーカーに確認などです。
委託先行政書士は車台番号及び行政書士標章が入った新ナンバーを撮影・印刷し、終了した旨の書面を委託元行政書士に提出します。
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
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