「自動車検査・登録制度」についてのご案内です。参照:国土交通省HPより

しくみ1:車社会と検査登録制度

日本の車社会

日本の自動車保有台数は約8,232台

日本は世界でも有数な自動車生産国です。令和4年5月では四輪、二輪含めて、8,232万台です。日本は戦後、自動車の著しい普及がされました。今日では、自動車を抜きにして経済生活を維持することはできません。自動車と経済・生活との結びつきは、車社会の成長とともに一層強くなっていて、同時に自動車に関する行政の比重も高まっています。

車社会と自動車検査登録制度

車の社会性

自動車は、道路において不特定多数の人に利用されます。走行中に事故を起こす危険性および公害が発生するおそれもあります。また、自動車の放置や自動車による犯罪歴等も社会に大きな影響を及ぼします。自動車が多くなるほど車と社会との調和が強く求められます。

車の識別

自動車は、財産的価値を有してます。しかし、自動車は大量生産され、移動するものでもあるため、外観から誰かを特定するのは困難です。

このため、個々の自動車を制度的に識別し、所有者、使用者等を判別できるようにしなければ、自動車に対する公的、私的な権利義務の証明が困難となります。

自動車検査登録制度は、車社会を支えています。

自動車を検査し登録することにより、自動車の安全確保・公害防止が図られるとともに、個々の自動車の識別が可能となり、所有および使用実態が制度的に把握されます。検査・登録を受けることによって、自動車は初めて社会的に認知された乗物になります。自動車検査登録制度は、車社会の秩序を支えています。

しくみ2検査登録の役割

道路運送車両法に基づく役割

自動車の登録

自動車登録とは「所有権を明らかにする」という民事登録(不動産登記のようなイメージ)と「自動車の保有実態の把握」とういう行政登録の二つの目的があります。(納税のイメージ)

民事登録の性格

所有権を明らかにし、第三者に知らせる要件を与えることにより、ユーザーの所有権を保護し、車についての法的安定性を確保することができます。これをベースに、自動車の流通の安定と円滑化が図られます。

行政登録の性格

ナンバープレートを交付し、自動車の識別を可能にすると同時に、個々の自動車の保有実態を行政が把握することができます。

自動車の検査

自動車の構造・装置を定期的にチェックすることにより、自動車の安全を確保し、公害を防止するとともに円滑な道路交通の確保と省エネ化を図ります。

保安基準の適合性

自動車を安全で、公害をもたらせない状態に維持することは、使用者の社会的責任といえます。道路運送車両法では、「道路運送車両の保安基準」を定め、この保安基準に常に適合させることを義務づけています。

安全の確保、公害の防止の手段

自動車は、走行することにより、また、使用期間の経過等でその構造・装備の劣化、摩耗をさけられません。このため、自動車の同一性と保安基準適合性について定期的に検査を実施する必要があります。

検査制度は、自動車の諸元(大きさ、重量、排気量等)の確認と安全の確保、公害の防止に必要不可欠な手段です。

しくみ3検査登録のしくみ

登録について

登録は運行の要件

普通車は、登録をして、ナンバープレートを取り付け、封印を受けなければ運行することができません。

登録の種類

●新車・中古車でナンバーのついていない場合(新規登録)

●氏名・住所・使用の本拠(個人の場合は、住所地又は居所で、法人の場合は、事務所の所在地です。)を変更した場合(変更登録)

●自動車を売買等により譲渡する場合(移転登録)

●自動車の使用をやめたまたは解体等をした場合(一時抹消登録、永久抹消登録)

登録の手続

登録を受けようとする場合には、申請書(OCRシート)の他に各種書類を添付又は提出する必要があります。

(例)新規検査登録の場合

●申請書(OCRシート)●自動車重量税納付書

●手数料納付書     ●車庫証明書

●完成検査終了証    ●自賠責保険証明書

●譲渡証明書     ●印鑑証明書   

●委任状       ●自動車税申告書

オンライン・リアルタイムの処理

検査登録業務は、システムにより、全国の登録窓口と中央の登録センターがオンラインで結ばれ、リアルタイムで処理されています。

検査について

運行の要件

トラック、普通車、軽自動車、251cc以上のバイクなどは国の検査(軽自動車は軽自動車検査協会)の検査を受け、車検証を備えつけていなければ運転することができません。

自動車の検査

個々の自動車が安全・環境の基準に適合しているかどうかを、国が一定期間ごとにチェックするのが自動車の検査です。(車検)この検査に合格して有効な車検証の交付を受けていなければ運行することができません。車検には、整備工場に点検整備とともに検査手続きを依頼する方法と、ユーザーが自ら行う方法があります。

自動車検査の流れ(普通車の例)

新規検査・登録

検査の種類と有効期間

1自動車検査の種類

検査の種類内容検査を受ける場所
新規検査
道路運送車両法第59条
新たに自動車を使用とするときに受ける検査、または、一旦使用することを中断する手続きをした自動車を再び使用するときに受ける検査(型式指定を受けた新車は現車提示が省略されます。)使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等
継続検査車検の有効期限が満了した後も引き続きその自動車を使用するときに受ける検査(指定整備工場において基準に適合する旨の証明がされた自動車は、現車提示が省略されます。)もよりの運輸支局等
構造等変更検査道路運送車両法第67条自動車の長さ、幅、高さ、最大積載量等に変更を生じるような改造をしたときなどに受ける検査使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等

その他、予備検査があります。

検査の手続き

検査を受けるときには、自動車を提示するとともに、各種書類を提出する必要があります。新規検査については、普通車の場合は、新規登録と同時に行われます。

新規検査または継続検査の手続きに必要なもの

1,共通 ●申請書

     ●手数料納付書 → 検査手数料

     ●自動車重量税納付書 → 重量税

     ●自賠責保険証明書 → 自賠責保険料

2,新規検査【型式指定車】  ●完成検査終了証(発行から9カ月以内)

      【型式指定車以外】●現車

3継続検査【指定整備工場】●車検証

             ●保安基準適合証(検査日から15日以内)

             ●自動車税の納税証明書

2,検査にかかる手数料

●新規検査

●継続検査

しくみ4検査登録の運営経費

検査登録の運営経費

検査登録の運営経費は申請手数料でまかなわれています。

自動車の登録の申請手数料で主なものは以下の通りです。

登録申請手数料(一両につき)

●新車新規登録   900円(OSSは500円)

●中古新規登録   700円

●移転登録     500円

●変更登録     350円

●一時抹消登録   350円

●永久抹消登録   無料

しくみ5 検査に付帯する諸制度

自動車の検査と点検・整備

自動車の検査は、国が一定期間ごとにチェックするもので、検査時において安全・環境基準に適合しているかを確認しているものです。

一方で、自動車の点検・整備とは、自動車の保守管理責任はユーザーにあります。ユーザーが必要な時に点検し、その結果に基づき必要な整備をすることをいいます。このように、検査と点検・整備は直接リンクするものではありません。なお、道路運送車両法では、日常点検および定期点検を実施することが、ユーザーに義務付けられています。